デザイン

エンジンとタンクがある。ふたつのタイヤとシートがある。「オートバイの絵を描いてみよう」・・・と子供達が画用紙と絵の具で遊ぶとき、そのイメージの原型としての輪郭がXJR1300にあると言えるでしょう。このXJR1300の母体であるXJR1200(1994年発売)の車体デザインは《迫力・たくましさ・存在感にステータス性を加味したスタイリング》を特徴とするものでした。

XJR1300は野性的な迫力、力強さ、存在感をもつこのスタイルは、1998年誕生のXJR1300でダイナミックに進化、2000年の2代目XJR1300では“重厚ながらも軽快”のコンセプトからよりスポーティを具現化するボディに洗練されました。そして2006年11月登場の3代目XJR1300では、サイドカバーのリデザイン、LED丸2灯テールライトなどで洗練されていくのです。
XJR1300はそのボディの象徴がスポーティ感と軽快感が基調となるフューエルタンク。風に流される滴(しずく)を意味する「ティアドロップ」形状の動きの中に、XJR1300のスポーティ感を印象付ける要素が味付けされています。“重厚ながらも軽快”のコンセプトを率直に表現するエレメントです。

ところでXJRブランドの起源は1993年デビューのXJR400。そのフューエルタンクのデザインモチーフは「こぶし」でした。しかも「風にぶち当たっていくような力強いこぶし」です。ネイキッドモデルは、ライダーが全身で風と向き合う世界。「かたく握ったこぶし」を「風にぶち当てる」という発想のデザインは、風と会話するネイキッドのスタイルそのものを伝えてきます。

XJR1300のフューエルタンクの絞り込まれたウエスト部は軽快さを演出し、これでフィット感に優れたニーグリップ性も実現。またタンク下側のラインの盛り上がった曲線は、躍動感とスポーティ感を主張しています。XJR1300のこのウエスト部を絞ったタンクの形状により、跨ったライダー視線からでも空冷エンジンがより眺め易く、シリンダーヘッド部が強調されビッグエンジンの存在感も楽しめます。

またウエスト部の絞り込みにもかかわらず余裕のタンク容量を確保。サイドカバー部は、3世目XJR1300でさらに洗練されたデザインとなり軽さ・シャープさをいっそう表現。吸気系パーツとのデザイン連動性をもたせ躍動感を表現します。

そしてXJR1300のライディングポジション、シート形状、タンクとサイドカバー形状などの相互の位置関係の最適化が、優れたフィット性と良好な足付き性を達成。XJR1300はスポーティな走りの基本となるそのライディングポジションとニーグリップ感からは、身体を動かす“マン・マシン一体”の気持ちよさが伝わります。